妬みと祝福の絆

春の砂漠の風は、まだ朝露の残る岩肌を撫でて、ほのかな土の匂いを運んでくる。天幕の入口に立つラケルは、遠くで羊の群れの鈴の音を聞きながら、両手をお腹に当てていた。...

妬みと祝福の絆

春の砂漠の風は、まだ朝露の残る岩肌を撫でて、ほのかな土の匂いを運んでくる。天幕の入口に立つラケルは、遠くで羊の群れの鈴の音を聞きながら、両手をお腹に当てていた。何も変わらない平らさ。彼女の横では、姉レアの産んだ四人の息子たちが、縞模様の子山羊と戯れて笑い声をあげている。ルベン、シメオン、レビ、ユダ——その名を呼ぶたび、ラケルの胸には鋭い棘が突き刺さるように痛んだ。

「なぜ」。唇をついて出る言葉は、砂に吸い込まれるほど微かだった。彼女は美しかった。ヤコブの心は初めから彼女に属していた。なのに、子を授かるのはいつもレアばかり。父ラバンが闇にまぎれて花嫁をすり替えたあの夜から、この歪んだ競争は始まったのだった。

天幕の中では、レアがユダに乳を飲ませながら、目を伏せていた。妹のため息は、薄い布越しにも聞こえてくる。レアは自分が愛されていないことを知っていた。ヤコブがラケルを見つめる視線は、葦の茂みを渡る熱風のように熱く、彼女に向けられる時は、冬の夜のように冷たかった。だからこそ、与えられた子供たちを「主の賜物」と呼び、必死に名前に願いを込めた。ルベン——見よ、息子。シメオン——主は聞かれた。だが、どれだけ子を産んでも、夫の心は揺るがなかった。

ある夕暮れ、ラケルはついに沸き立つ思いを爆発させた。「私に子供をください。いなければ、死ぬほどの思いです」 ヤコブの額には怒りの筋が浮かんだ。「わたしが神の代わりになれるというのか。子を授けるも閉ざすも、主の御手によるのだ」。その言葉は、ラケルをさらに深い絶望に落とした。彼女は長い間、天幕の隅で震えていた。

翌日、ラケルは自分の侍女ビルハを呼び寄せた。エジプト産の亜麻布で編んだ帯をゆっくりと解きながら、言った。「ヤコブの床に入りなさい。あなたの膝に生まれる子を、私の子としよう。そうすれば、私も彼によって家を建てられるかもしれない」。ビルハはうつむいた。侍女の体を通して子を得る——それは族長の間では許された慣習だったが、彼女の胸には複雑な思いが渦巻いた。

やがてビルハは男児を産んだ。ラケルは産声を聞くと、天幕に駆け込んで言った。「神は私の訴えを正しく裁かれた」。彼女はその子をダンと名付けた。「裁き」という意味だ。さらに時が経ち、ビルハは第二子を産む。ラケルは「私は姉と激しい争いをして、ついに勝った」と叫び、ナフタリ——「私の戦い」——と名付けた。その声には、喜びよりも、長年のうっ憤がにじんでいた。

一方、レアは自分が子を産めなくなったのを知っていた。主がその胎を閉ざされたと感じた。彼女は静かに侍女ジルパをヤコブの元に送った。ジルパが男児を産むと、レアは「幸運が来た」とつぶやき、ガドと名付けた。次の子には、「なんと幸いなことか」と言って、アシェルと名付けた。彼女の言葉は、勝利の宣言というより、どこか諦めに似た祝福の形をとっていた。

ある日、ルベンが野で恋なすびを見つけてきた。それは媚薬とされた赤い実だった。レアがそれをラケルに分け与えようとすると、ラケルは嘲るように言った。「姉さんが私の夫を取ったのに、今度は恋なすびまで取ろうというの?」 レアの目に涙が光った。「それほどまでに私を憎むのか? 夫を取ったのは私のせいではない。父がそうさせたのだ」。結局、ラケルは一夜の夫の床を代償に恋なすびを手放した。レアはヤコブを迎えにいく時、「私はあなたを買い取ったのだ」とささやいた。その言葉には、愛されぬ妻の切ない誇りが込められていた。

レアは再び孕み、五男を産んだ。「神が私の報いを与えてくださった。私が侍女を夫に与えたからだ」。彼はイッサカル——「報い」——と名付けられた。さらに六男ゼブルンが生まれると、「神は私に良い賜物を賜った。今こそ夫は私を重んじてくれるだろう。六人の男子を産んだのだから」。彼女の願いは、最後まで「愛されること」だった。その後、一人娘ディナも授かった。女児の誕生は、族長の物語では簡潔に記されるが、レアはこの子をそっと抱き、初めて純粋な母の笑みを浮かべた。

その間、ヤコブはラバンのもとで羊の群れを増やす術を模索していた。ラバンは何度も報酬を変え、しま模様や斑点のある羊がすべてヤコブのものとなる取り決めをした時、彼はひそかに若く強い雄羊と雌羊だけを選び分け、枝で皮を剥いだ棒を水溜めに差し込んだ。羊が交尾する時、その棒の前で行うように仕向けたのだ。人々は「あの縞模様の棒の前でこそ、強い子が生まれる」と囁き合った。やがて、ヤコブの群れはしま模様や黒みがかった羊で増え、彼は富を築いていった。しかし、彼自身は天を仰ぎ、族長アブラハムの神が彼と共におられることを知っていた。夢で聞いた「あなたの子孫は砂のように増える」という言葉を、胸に刻みながら。

長い年月が流れたある夜、ラケルは再び天幕の入口に立っていた。星が砂漠の夜空に散りばめられ、かつてヤコブがラバンの家に来た時と同じように輝いている。彼女の腹は今、かすかに膨らんでいた。ついに、主が彼女を心に留め、その訴えを聞き入れられたのだ。産みの苦しみが始まった時、彼女は苦しみの中で「もう一人の息子を」と叫んだ。助産婦が「心配ありません。今度も男子です」と告げると、ラケルは最後の力を振り絞って息を吸い、ヨセフ——「主がもう一人を加えてくださるように」——と名付けて、静かに息を引き取った。

ヤコブはラケルをベツレヘムへの道傍に葬り、石碑を建てた。遠くで、レアが産んだ子供たちと、ビルハやジルパが産んだ子供たちが、一つの群れのように集まっていた。十一人の息子たち——彼らはやがて、約束の地へと続く族長となる者たちだった。風がまた吹き、砂丘の稜線をかすめていく。人の願いと妬み、悲しみと祝福が絡み合ったこの物語は、ただ神の沈黙した導きの中で、静かに次の章へと続いてゆくのである。

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