章ごとの聖書の物語。
最新の投稿
最近の物語
灰の中の証言 揺るがぬ義の地盤
風は、東から吹いてくる熱気を運び、ヨブの粗末な麻の上衣の端を揺らした。彼は穴の開いた敷物の上に座り、目の前には無限に広がる砂丘が夕日に照らされ、黄金から深紅へと...
滅びの予兆、エルサレムの落日
秋の終わりが、エルサレムの丘を赤く染めていた。ぶどう畑の収穫はとっくに終わり、今はオリーブの実を搾る季節である。だが、町には収穫の喜びがなかった。むしろ、冷たい...
青銅の海、約束の形
青銅はまだ冷えきっていなかった。炉の名残りが、朝もやの中にうっすらと匂い、ヒラムはその手のひらをかざした。温度を肌で計る長年の習慣だ。彼はティルスから来た工人で...
アダムからアブラハムへの系譜
曇りなき朝、光が初めて大地を撫でた時から、物語は始まっている。しかし、ここに記されるのは、風の囁きのように断片的で、時に途切れ、時に重なる名の連なりだ。粘土の板...
王衣の風に戦いの記憶
エルサレムの城壁の上に立つダビデは、朝もやがヨルダンの谷間を這うのを見ていた。羊飼いの頃から慣れ親しんだ風が、今は紫色の王衣の裾を揺らす。彼の手には、長年の戦い...
悔い改めとエベネゼルの石
霧が深い朝、シロの丘には長い嘆きが残っていた。二十年という歳月が、イスラエルの家を曇らせたまま流れていた。人々の心には、あの契約の箱が奪われて以来の虚しさが巣食...
シェラの誓い
夕暮れが砂漠の地を溶かすように染めていた。昼の灼熱が和らぎ、砂粒がほのかな輝きを帯び始める時刻である。シェラは家族のテントの前にうずくまり、膝を抱えていた。遠く...
安息の年、委ねる勇気
その日、風は暑かった。ヨナタンは、ひび割れた自分の手のひらを見つめながら、オリーブの木陰に腰を下ろした。遠くに見える畑は、黄金の小麦で埋め尽くされ、重たそうに頭...
ナイルの子守歌
ナイルの朝もやは、レンガ積みの野をぼんやりと覆っていた。窯から立ち昇る煙が、まだ冷たい空気に溶けていく。ヨシュアは古びた熊手を握りしめ、乾いた粘土の山をかき回す...
ソドムの落日と塩の柱
夕暮れがソドムの町を包み始める頃、ロトはいつものように城門の傍らの石段に腰を下ろしていた。西の空に沈みゆく太陽は、砂埃に覆われた家々の壁を鈍い赤に染め、長く歪ん...