章ごとの聖書の物語。
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箴言 28
旧約聖書
誠実の実りと悔い改め
丘の上のオリーブ畑が、夕暮れの光を浴びて銀色に揺れていた。カレブは腰をかがめ、乾いた土を指でほぐしながら、一本の木の根元に水をやっていた。今年の雨は少なく、隣の...
詩篇 114
旧約聖書
葦の海の記憶、ヨルダンの約束
その日、ヨルダン川の東、荒れ地の縁に設けられた宿営で、火は低くくすぶり、夜の気配が砂の上を這っていた。老いたレビ人、エリアブは、集まってきた若い者たちの顔を、ゆ...
エステル記 6
旧約聖書
忘れられた功績と逆転の栄誉
夜が一番深い刻、シュシャンの城では大理石の廊下に灯ったともしびの炎だけがゆらめいていた。玉座の間から続く私室で、アハシュエロス王はまんじりともせず、羊毛の敷物の...
出エジプト記 30
旧約聖書
聖なる香壇の完成
砂漠の風は、昼の灼熱が去った後でも、岩肌に残る熱を運び、亜麻の幕屋の周りをゆるやかに旋っていた。モーセは、幕屋の入口近くに立ち、目を閉じた。耳には、まだ、シナイ...
ガラテヤの信徒への手紙 2
新約聖書
エルサレムの対決 自由の福音を掲げて
エルサレムへの道は、砂漠の熱気に歪んで見えた。パウロは額の汗をぬぐいながら、足元の小石が転がる音に耳を傾けていた。バルナバと若いティトスを連れたこの旅は、単なる...
ガラテヤの信徒への手紙 2
新約聖書
弱さを担う強さ
ローマの信徒への手紙十五章 湿った朝露が石畳に光る頃、エパフロスは目を覚ました。窓の外では、まだ薄暗い路地でパン焼きの煙がゆらめいていた。彼はうつむきながら羊皮...