章ごとの聖書の物語。

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最近の物語

エルサレムの傷、新たな器

窓の外では、夕暮れが丘を紫がかった灰色に染めていた。工房の中は、ろくろの回る音と、粘土のほのかな土の香りで満ちていた。エリアフは指先に集中していたが、心は全く別...

詩篇 84 旧約聖書

巡礼の朝、神殿への道

カレブは、朝もやがまだ谷間を覆い隠している頃に目を覚ました。遠くで一羽の鳥が鳴いた。それは雀か、あるいは神殿の軒下に巣を営むあの燕の声に違いない、と彼は思った。...

苦難の日に主は答える

夕暮れがエルサレムの丘を赤く染めるとき、宮殿の奥の間には、重い空気が流れていた。アデン王は、肘を石の窓辺に置き、遠くに見える平野を見つめていた。地平線の彼方には...

ヨブ記 30 旧約聖書

かつての嘲笑いが今、歌に

今、私を嘲笑う者らは、私がかつて顔を背けた者らの子である。彼らの父たちは、我が牧羊犬の群れと共にいることさえ、価しない者どもだった。彼らは力も衰え、荒野の岩陰と...

エステルの決断と新たな布告

朝がササの窓辺を白く染める時刻、玉座の間にはまだ夜の冷気が残っていた。エステルはその冷たさを足の裏に感じながら、深紅色の敷物の上を静かに歩いた。絨毯の模様は複雑...

ヨシヤ王の過越祭とその結末

その年、春の気配がエルサレムの石畳を温め始めた頃、宮殿の一室でヨシヤ王は古い皮の巻物を広げていた。窓から差し込む光に塵が舞い、文字が浮かび上がる。彼の指が「過越...

歴代誌第二 3 旧約聖書

ソロモンの神殿 静かなる建設

神殿が立つその場所は、かつてアラウナの打ち場と呼ばれた。モリヤの山の頂き、父ダビデが示した地である。ソロモンは堅くなった土の上に立ち、かすかに漂う往年の麦の穂の...

列王記第二 25 旧約聖書

エルサレム陥落 捕囚の始まり

壁はもう長いこと続いていた。二年目か、三年目か。時間の感覚は、腹を空かせた者には意味をなさない。エルサレムの城壁の上から見下ろすと、バビロニアの陣営の炊事の煙が...

列王記第一 15 旧約聖書

エルサレムの灯火と消えぬ約束

エルサレムの宮殿は、朝もやに霞んでいた。石畳の冷たさが足裏に伝わり、アビヤムは玉座の重みを感じながら、遠くを見つめた。父レハベアムが残した国は、裂けたままだった...

主が建てる家

宮殿は沈黙していた。石と香柏材でできたその広間には、昼の喧噪が嘘のように消え、ただ灯りがゆらめいていた。ダビデ王は窓辺に立ち、遠くに見える町の屋根や、その向こう...

老いの警告、約束の地の選択

日は浅いが、カナンの地にはすでに秋の気配が忍び寄っていた。シロの幕屋の前、広い空地に集まった人々の息づかいは、乾いた風に混じって、重い雲のように漂っていた。彼ら...

申命記 25 旧約聖書

律法に生きる日々

日が傾き始める頃、エルカナはその日の最後の畝を踏みしめた。土の匂い、乾いた草の感触、遠くで鳴く山羊の声。すべてが彼に言っていた。収穫は近い、と。...

民数記 29 旧約聖書

第七の月の祭り

第七の月が訪れる頃、荒野の風には既にうっすらと冷たさが混じり始めていた。朝もやが砂丘の稜線を柔らかくぼかす中、レビ族の祭司エルアザルは革の幕を押し開け、冷たい空...

レビ記 24 旧約聖書

聖なる光と冒涜の石

燭台の油は、オリーブを搾り、漉し、精製され、純粋で濁りのない金色を帯びていた。毎日、アロンはその油を整え、夕暮れから夜明けまで、至聖所の前に設えられた純金の燭台...

金の子牛の罪

砂漠の昼下がり、その熱は岩をも鈍く曇らせるようだった。シナイの山は、稀薄な青空に鋭く切り立ち、頂は見えぬほど神々しい霞に包まれている。麓の広い平野には、雲のよう...

父の遺言と約束の地への帰還

ザイの宮殿の庭に立つと、ナイルの湿った風が、もうすぐ夕暮れになることを告げていた。ヨセフは父が息を引き取った部屋の扉の前で、しばらく動けなかった。宦官たちが忙し...

約束の訪れとソドムの行方

日が最も烈しく地上を照らす時刻だった。砂漠の熱気は目に見えて揺らめき、遠くの丘は波のように歪んで見えた。アブラムは天幕の入口の日陰に腰を下ろし、足を投げ出してい...

ペテロの約束

潮風に塩の香りが混じる小舟の上で、ペテロは古い網の修繕をしていた。手のひらの皺の奥まで染み込んだ塩と魚の気配。東からの風が、ガリラヤ湖のそれとは違う、広く荒々し...