章ごとの聖書の物語。

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最近の物語

ティグリス川の啓示

その頃、ダニエルは、ベルシャシャル王の治世の第三年のことについて、一つの啓示を受けていた。その言葉は真実であり、大きな戦いについてのものであった。彼はそのことば...

海の城塞の終焉

海は穏やかな日、ガラスのように光っていた。遠くから見れば、ツロはまさに海に浮かぶ紫の宝石のようだった。岩の上に築かれたその町には、二つの港が抱き合うようにして船...

バビロン陥落の夜明け

ユーフラテスの水は、今日も濁ってゆったりと流れていた。水辺に立つ煉瓦の大城壁は、夕日に照らされるとき、まるで熔けた銅のように輝く。バビロンは、その名の通り、「神...

エレミヤ書 19 旧約聖書

砕かれた預言の壺

エルサレムの朝は、灰陶器のような空から始まった。夜の冷気が石畳にへばりつき、家々の屋根には薄らと露が光っている。エレミヤは、うつろな眠りから覚めたとき、喉の奥に...

苦難の僕の啓示

その日、エルサレムの風は乾いていた。市場の喧噪が壁を伝わり、私の居る小部屋にも届く。羊皮紙の匂い、灯りの煙、それに混じる遠い哭き声。人々はまた、ローマの徴税人に...

イザヤ書 21 旧約聖書

荒野からの幻視

夜は深く、エルサレムの丘には冷たい風が吹き抜けていた。窓の外では、オリーブの木々の葉がかすかに揺れる音だけが聞こえる。私は机に向かったまま、羊皮紙の上の灯りのゆ...

伝道者の書 9 旧約聖書

オリーブ畑のヨシュアと人生の恵み

夕暮れが迫る頃、ヨシュアはオリーブ畑の端にある岩に腰を下ろし、腕についた土を拭った。遠くで羊の鈴の音がかすかに聞こえる。今日も一日、畑を耕し、石を除き、根気強く...

箴言 8 旧約聖書

知恵の声、路地裏に響く

その日、エルサレムの旧市街は、朝から激しい砂漠の風に晒されていた。西側の丘から吹き下ろす熱風が、細かい砂塵を巻き上げ、人々は目を細め、早足で路地裏へと消えていっ...

涙の種、喜びの芽

その年、エルサレムの秋は、乾いた砂塵の匂いと、遠くから運ばれてくる檜材の香りが混じり合っていた。城壁の修復は遅々として進まず、ゼルバベルによる神殿再建の知らせは...

闇の中の光 揺るぎない岩

夕暮れがエルサレムの丘を赤く染めていた。ヤケツエルは窓辺に肘をつき、眼下に広がる街のざわめきを聞いていた。ろばの鈴の音、商人の掛け声、どこかから聞こえる笑い声—...

詩篇 62 旧約聖書

砂漠の逃亡と魂の岩

岩肌の焼けるような熱さが、背中から伝わってくる。エラムは息を殺し、ひび割れた岩陰に身を潜めた。足元には、乾ききったワジの河床が白く光り、向こう側の丘には、彼を追...

病の夜、恵みの朝

エルサレムの町は、夕暮れの金色の光を浴びて、家々の平らな屋根を温めていた。エリアフは、その屋根の一つに立ち、目の前の繁栄を深く息を吸い込みながら眺めていた。彼の...

塵と灰の上で

地は固く、ひび割れていた。長い苦しみの末に訪れた沈黙ほど重いものはない。ヨブは灰の上に座り、顔は地面に向けたままだった。皮膚は病に侵され、骨は痛みを覚え、それ以...

エズラの悔い改めの祈り

その日、エズラは庭の奥にある小部屋にいた。杉の板の机の上には、律法の巻物が幾つか開かれていた。窓からは、午後の斜光が差し込み、舞い上がる塵の粒子が微かに金色に輝...

歴代誌第二 13 旧約聖書

二つの王国の戦い

南のユダの国では、アビヤが王となって三年目の秋であった。北のイスラエルの王ヤロブアムが、ユダの国境近くまで軍を進めているという知らせが届いた。エルサレムの宮殿に...

サムエル記第一 31 旧約聖書

基利波の落日 王権の終焉

基利波の山は、その日、鉄の匂いに満ちていた。風が吹くたび、枯れ草と血の混じる重い空気が、よろめく兵たちの間をよぎる。サウル王は、よろいの重みに膝ががくんと折れか...

渇きと奇跡の谷

砂漠の風は、記憶を剥ぎ取るようにして吹き抜ける。イスラエルの王ヨラムは、サマリアの宮殿の陰翳よりも、この灼熱の空虚を選んだ。父アハブの跡を継いでから、彼は常に重...

サムエル記第一 16 旧約聖書

主は心を見る ダビデの選び

その日、ベツレヘムの丘には、いつもと違う緊張が漂っていた。朝もやがようやく昇る陽に溶け始める頃、一人の老いた旅人が、ゆっくりと町の門へと歩みを寄せた。その外套は...